内向型でネガティブな性格は遺伝子のせいなのか【後編】
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人生 遺伝的制約 過去 記憶 自我 シナプス 学習 ヘブの法則 神経可塑性 ネガティブな神経回路 習慣 精神的リハビリ デカルト 世間という大きな書物 唯脳論 永遠回帰 人生の意味のコペルニクス的転回 フロイト 無意識 抑圧 否定の否定 罪責感 自尊心の欠如 回避性パーソナリティ障害 認知の歪み
まえおき
僕はネガティブでコミュ障で自意識過剰などうしようもない人間である。しかし、僕がこんな人間になってしまったのは、遺伝子のせいなのだからしょうがない。僕の染色体に潜む内向型の遺伝子が、僕を内へ内へと引きこもらせてしまったのだからしょうがない。すべては遺伝子が悪いのであって、僕のせいではないのだ──ということを【前編】でネチネチと考えた。
【後編】では、天使との対話を通じて、このような考え方の修正に迫っていきたい。非常に長い記事(※約36000字)ではあるが、お時間のあるときに読んでいただけたら幸いである。
いやいや、どこぞの馬の骨ともわからないような奴のそんなクソ長い記事を、貴重な時間を割いてまでいちいち読んでられないよ! という方もおられるだろう。そんなわけで、本文のエッセンスは「要約」にまとめておいた(要約もだいぶ長くなってしまったが…)。
keywordと目次と要約をご覧いただいて、もし面白そうだと思っていただけたら、本文も参照して下さると嬉しい限りである。(※なお、本記事は対話形式で書いています。そういうのが苦手な方はブラウザ「戻る」ボタンをお願いいたします。)
要約
・人の人生を左右するのは、半分くらいは遺伝的要因によるが、もう半分は精神(意志)によるものである
・人間は過去に縛られる存在である
・といっても、「過去」という時間は人間の記憶の中だけに存在しており、物理的に存在しているわけではない
・したがって、過去に縛られるとは記憶に縛られることであり、記憶が人の「自我」を保っている
・記憶は脳内のシナプスに保存されている
・シナプス間隙(かんげき)を神経伝達物質が飛び交うことで、人の思考や情動等が産み出される
・シナプスの配線パターンと結合強度こそがその人の「人格」を形成しており、これが自我の正体である
・シナプスの配線パターンと結合強度は、学習や経験によって組み換え可能である。これを「神経可塑性(かそせい)」と呼ぶ
・ネガティブな思考ばかりしていると、ネガティブな神経回路が強化されていく。すなわち、ネガティブ思考の「習慣化」が起こる。習慣化とはつまるところ、シナプス結合の強化のことである
・ポジティブシンキングをするためには、頭で考えるだけでは駄目で、実際に行動を起こし、習慣を改め、脳内に新鮮な刺激を送り、シナプスの配線パターンを変えていかなくてはならない
・人生で起こることのすべては、脳内信号に変換されている(唯脳論)
・現実世界とは神様の創ったゲーム世界であり、人間は脳というハードウェアを用いて、この現実という名のゲーム世界をプレイしている
・一人ひとりの人間は、このゲーム世界をプレイするいちプレーヤーである。各プレーヤーはそれぞれ固有の【使命】をもっている
・使命を果たすことによってゲームクリアとなり、その人の魂は死後、次のゲームステージへと転送される。しかし、使命を果たさなければ、その人は同じ世界で人生何度もやり直しとなる(永遠回帰)
・このように、現実世界はどこまでいってもゲーム世界であり、天国や極楽浄土などというものはない
・死んだらまた次の生が始まるだけであり、「無」になることもない
・ゆえに、死後や彼岸のことにいくら思いを巡らしていても仕方がないのであって、それよりもいまのこの「生」を一生懸命に生きることの方が大切である(人生の意味のコペルニクス的転回)
・ネガティブな自分を捨て去ってポジティブな自分に生まれ変わりたいと思っていても、無意識のレベルでは自分が変わることを恐れ、拒否している場合がある
・それはたいていの場合、過去に何らかのトラウマ経験を抱えており、それが心の奥底に引っ掛かっていて、変わろうとする自分を引き戻そうとするからである
・人間は過去に縛られる存在だからこそ、過去に何らかのトラウマ経験を抱えていると、それが生涯にわたってその人の人生に重大な影響を与え続ける場合がある
・脳の神経細胞(=ニューロン)が死滅しない限り、過去の記憶が完全に消え去ることはない。しかし、だからといってトラウマを克服できないわけではない
・無意識の自分と向き合い、自身の言動パターンを見直し、少しずつ習慣を改めていくことによって、過去の軛(くびき)から自身を解放することができる
・このように、人の人生を左右するのは遺伝的要因よりも、精神的要因によるところが大きい。そしてそれは習慣を改めることによって改善できる。これは遺伝子ではなく、意志の問題である
・総括すれば、遺伝子は隠しパラメータのようなものといえる。つまり、その人の能力の伸びやすさ(素質)を決めるだけであって、遺伝子が人生のすべてを支配しているわけではない
・大事なのは、もって生まれた素質を適切に見極め、自身の能力を最大限に活かしながら、自分に与えられた【使命】を果たすことである
・使命は各人によってそれぞれ異なるのだから、自分の人生を他人のそれと比較しても意味はない。ただ、己の道を真っ直ぐ歩めばそれでよいのである
内向型でネガティブな性格は遺伝子のせいなのか【前編】
身体の表面を拡大していくと…
要約
・僕はネガティブで自意識過剰でコミュ障な人間である
・人の性格は大まかに内向型(内気)と外向型(社交的)に分けられる
・人が内向型人間になるか外向型人間になるかは、ある程度遺伝的に決まる
・例えば、セロトニントランスポーター遺伝子は、脳内のセロトニン分泌量に関わっており、人によってこの遺伝子のタイプが異なる
・セロトニンは抑制型の神経伝達物質で、心身の安らぎを感じさせる役割がある
・セロトニン分泌量が遺伝的に少ない人間は、不安を感じやすく、内向型の性格になりやすい
・また、人は生まれつき神経過敏な人(高反応)とそうでない人(低反応)とがいる
・高反応型の人間は、臭いや音や他人の心理に過敏に反応するので、些細なことで動揺しやすく、精神的に疲れやすい
・低反応型の人間は、外界の刺激に(良い意味で)鈍感なので、活動的で他者と積極的に関わっていく傾向がある
・極端に高反応なタイプのことをHSP(Highly Sensitive Persons)と呼び、人口内に一定の割合で存在する
・このように、人の性格は遺伝的にある程度決まっている
・僕が内向型で暗い人間になってしまったのは、遺伝子のせいであり、遺伝子のせいで人生ハードモードになってしまったといえる
・しかし、遺伝子にとってみれば、一人ひとりの個体の人生がどうなろうが知ったことではない
・遺伝子は利己的に自らの生存を追及するだけであり、個々の生物個体はその乗り物に過ぎないからである
この世界は神様が創った究極のVRゲームらしい
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人生 絶望 現実世界 神様 VR(ヴァーチャル・リアリティ)ゲーム 使命 次の世界
要約
・生きることに虚しさを感じていたら、天使が現れて、この世界や人生の【真実】について語りだした
・曰く、この現実世界は神様のつくった究極のVRゲームである
・人間一人ひとりはこのゲームをプレイするプレーヤーである
・プレーヤーはそれぞれの【使命】をもっている
・【使命】を果たさない限り、人生は何度もやり直しとなる
・使命を果たすことによって、いま生きているこの世界(ステージ)のクリアとなる。そして魂は次の世界(ステージ)へと転送される
・使命が何であるのかは自分で見つけなければならない