存在の病、あるいは孤独な絶望者の手記

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存在の病、あるいは精神的地下室の手記

人生に絶望した男の精神的リハビリ雑記ブログ──人生哲学、思想っぽいもの、小説、詩、本の感想など

この世界は神様が創った究極のVRゲームらしい

人生哲学 天使との対話

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keyword
人生  絶望  現実世界  神様  VR(ヴァーチャル・リアリティ)ゲーム  使命  次の世界


要約


・生きることに虚しさを感じていたら、天使が現れて、この世界や人生の【真実】について語りだした


・曰く、この現実世界は神様のつくった究極のVRゲームである


・人間一人ひとりはこのゲームをプレイするプレーヤーである


・プレーヤーはそれぞれの【使命】をもっている


・【使命】を果たさない限り、人生は何度もやり直しとなる


・使命を果たすことによって、いま生きているこの世界(ステージ)のクリアとなる。そして魂は次の世界(ステージ)へと転送される


・使命が何であるのかは自分で見つけなければならない



目次




人生に絶望した




僕は存在する意味のない人間だ、とこの頃よく思う。…いや、もうかれこれ10年近くもそう思い続けてきた。最近は特にその思いが強くなってきて、毎日が憂鬱に感じる。






…生きていることが虚しい。
そんなふうによく思う。






最近楽しいと感じることがあまりない。仕事はやりがいもへったくれも感じない。一日のノルマをただ機械的にこなすだけ。僕はコミュ症ゆえに、職場に親しい人もいない。休憩時間は机につっぷしてひたすら寝るだけ。給料も少なくて、涙が出る。…だって時給◯百円なんだぜ。バイト並の給料なんだぜ。貯蓄なんかできないんだぜ。年二回のボーナスも◯千円しかくれないんだぜ…小学生の小遣いか!






これといった趣味もなく、休日は基本ひとりで本を読むか、レンタルDVDを観るか、部屋の掃除をするか、ニコ動を見耽っているかするだけ…。恋人もおらず、友人も少なく、一人暮らしの生活は寂しさ空しさが積もるばかり…。






facebookを見れば、充実した人生を謳歌している人たちが、これ見よがしにリア充ぶりを見せつけてくる。僕と同年代の人たちは、既に結婚している者もいる。赤ちゃんが産まれたと報告してる人もいる…なぜか友人でも何でもない人の、そういう幸せそうな写真が僕のページに表示される。これは嫌がらせか? …だから僕はなるべくFBは開かないようにしている。






ハァ…僕は何のために生きているのだろう? ただ食べて、寝て、適当に仕事して、適当に暇を潰して、そんなことを繰り返しながら日々を無為に過ごしている…。






いつまでこんな生活が続くのだろう? もし、こんな生活がこれからもずっと続くのだとしたら…? なんだかすごく恐ろしい。空しい日々がこれから何年も何十年も続くのかと思うと…なんかもう絶望感が漂ってくる。






こんなことなら、最初から存在しなければよかったんじゃないか? 僕という人間が存在する意義がわからない。ほとんど誰ともしゃべらず、誰とも遊ばず、ただ生存しているだけのこんな人間が、生きていて一体何になるというのだろう?






…じゃあ死ねばいいんじゃね? そう思ったことも何度もあった。…しかし、結局死ねなかった。なぜなら死ぬのが恐いからだ。あろうことか、僕は自殺する勇気すらないチキン野郎なのだ!






…ああ、もうどうしようもない。僕は上手く生きることも死ぬこともできずに、宙ぶらりんの状態で、死んだように生きている。辛い…。生きているのが苦しい…。存在することが憂鬱でしょうがない…。一体僕はどうしたらいいのだろう?






天使降臨





──その時だった。






異様な輝きを帯びた光の玉が、窓の外から飛び込んできた。光る玉は部屋の四方八方へ飛び回ると、やがて部屋の真ん中で静止した。唖然としてその光を見つめていると、突然光は激しくフラッシュして弾けた。網膜にもろに光線を浴びてしまい、僕は目を眩ませながらその場にうずくまった。しばらくして、おそるおそる目を開けてみると…






──ひとりの女の子が宙に浮いたままこちらを見つめていた。






僕はハッとなって息を呑んだ。それは穏やかな微笑みをたたえた、可愛らしい少女であった。「誰?」と訊こうとしたが、言葉にならず、口をパクパクさせたまま僕は固まった。少女は純粋過ぎるほどの真っ白なワンピースに身を包み、その背中にはこれまた見事な、透き通るような白い翼が生えていた。






──天使だ。これは典型的なイメージの天使だ。






と僕は思った。その推測は当たっていた。「君は天使ですか?」と僕が尋ねると、少女は答えた。






天使:そう。ワタシは天使。神の子にして、その使いの者。今日はあなたに【真実】を伝えに来たの、ぬこやま。






ぬこ(僕):ああ、やっぱり天使だったんだね。はぁ…人生に絶望し過ぎたせいで、とうとう僕は幻覚を見るようになったらしい。…今日はもう寝よう。おやすみ、天使さん。






天使:ちょ、ちょっと、待ちなさいよ!






そう言うと、天使は問答無用で僕の頬を平手打ちした。ピリリとした痛みが身体に走る。…あれ? これは幻覚…じゃない⁉ 驚いて飛び上がると、天使はムスッとした表情で睨みつけてきた。






天使:何よ何よ。せっかくこんな美少女が目の前に現れたっていうのに、アンタは寝るわけ? そんなことだからいつまで経っても彼女ができないのよ、このシマウマ野郎ッ!






ぬこ:シマウマ…草食ってこと?






天使:うるさい! とにかく、せっかくこうしてワタシが来たんだから、ちょっとは相手をしなさいよ。






ぬこ:相手って…天使様が一体僕に何の用があるというのです? あ、そうか。絶望している僕を救いに来たのですね? 僕の魂を救済するために、僕の前に現れてくれたのですね? そうなんでしょ?






天使:は? バッカじゃないの? 何でワタシがそんなことをタダでやらなくちゃならないの? …まったく、これだから人間は困るのよねぇ。天使を何だと思っているのかしら。






ぬこ:え、違うの? じゃあ何しに来たの?






天使:まぁ、ちょっとした暇つぶしよ。人間に本当のことを教えて、からかってやろうと思ってね、フヒヒ。。。ホントはむやみに人間の前に姿を見せちゃいけないんだけどね。






ぬこ:ええー、何だよそれ。本当のことって何? さっきも真実を伝えに来たとか言ってたけど…。






人生は一度きりじゃない




天使:そうね。じゃあ教えてあげる。アンタは人生に絶望してるみたいだけど、そんなことじゃあこの先も思いやられることになるわ。






ぬこ:??? …どうして?






天使:ぬこやま、アンタは人生は一度きりだと思う?






ぬこ:唐突な質問だね。…まぁ、人生は一度きりだと思うよ。






天使:じゃあ、死んだらその先どうなる?






ぬこ:死んだら? …うーん、たぶん「無」になるんじゃないかな。生まれる前の状態に戻る…みたいな? あるいは「天国」に行くとか? それとも「極楽浄土」かな?






天使:ハァ~。ホント、人間って愚かねぇ。人生は一度きり? 死んだら無になる? 天国へ行く? …残念ながら、そんなことはありません。人生は何度も体験しなければならないのよ。






ぬこ:何だって? つまり…どういうこと? 死んだらそれで人生終わりじゃないの??






天使:それは嘘よ。死はひとつの区切りに過ぎない。それは新たな生の始まり。…わかる?






ぬこ:よくわかりません。






天使:ハァ…。あのね、ぬこやま。アンタはこの世界が唯一の【現実】世界だと思う?






ぬこ:また、唐突な質問だね。つまり、いま僕が住んでいる、この地球上のこの世界が唯一の現実かってこと? …そうなんじゃないの? ここが唯一の現実世界でしょ? それ以外に何があるっていうの? …まさか異世界があるとか言うんじゃないだろうね?






天使:ピンポーン! アタリ! この世界だけが唯一の現実ではありません。アンタの予想通り、こことは別の世界も実はあるのです。






ぬこ:ああ…やっぱり僕は頭がどうかしているようだ。突然美少女の天使が現れたり、異世界がどうのとか言い出したり…これじゃあ、まるでライトノベルじゃないか。ねぇ、天使さん。君はどうせ僕の生み出した幻覚なんでしょ? そういう話はラノベの中だけにしてくれ。やっぱり、今日はもう寝ることにするよ。じゃあ、おやすみzzz…






天使:ちょ、コラーーー! 起きろ、バカ!!






天使は僕の背中に思いっきり蹴りを入れた。不意打ちをくらって、思わずぐげぇという声が漏れた。気管が詰まったように、しばらくの間僕は呼吸が上手くできなくなった。苦しさに悶えながら、背後では天使がフヒヒヒヒと可愛らしい声で下品に笑っていた。…あれ? やはりこれは幻覚じゃないのか⁉ ──息が整ってきたところで、改めて天使に向きなおった。






天使:どう? これでワタシが幻覚じゃないってことがわかった?






ぬこ:…はい。よくわかりました。ちゃんと話を聞きますから暴力はやめてください。






天使:よろしい。最初からそうやって素直になればいいのよ。じゃあこの世界のことについて話すね。アンタたち現代人にとっては、もはや信じられないかもしれないけど、この世界も含めあらゆる世界は【神様】がお創りになったものよ。






ぬこ:ええー? ついに神様きちゃったよ。何だよ、それ。まさか君は僕をヘンな宗教に勧誘するんじゃないでしょうね?






天使:別に、ワタシはアンタを宗教に誘うつもりはないわ。ワタシはただ、【真実】を伝えに来ただけ。アンタがあまりにも人生に絶望しているようだから、ホントのことを教えて、人生について考え直してもらおうと思っただけよ。






ぬこ:そ、そうですか…。して、その真実とやらは、いかなるものなのですか?






この世界は神様が創ったゲーム世界




天使:ワタシは既に三つのことを話したわ。ひとつは人生は一度きりじゃないってこと。二つ目は現実世界はここだけじゃないってこと。そして三つ目は世界は神様が創ったものだってこと。…ここまではいい?






ぬこ:うーん…いまいち、納得出来ません。なんか宗教っぽくて胡散臭いし…。それに、その【真実】が僕の人生と何の関係があるのです?






天使:じゃあ、単刀直入に言うわね。この世界は、実は神様が創ったゲーム世界なの。そして、アンタはそのゲームをプレイするいちプレーヤーなの。これがワタシの伝えたかったことよ。






ぬこ:え??? ということは、つまり…その…。






天使:混乱した? 要するに、アンタが現実だと思っているこの世界は、神様が創ったゲームの世界…究極のVR(ヴァーチャル・リアリティ)なのよ。






ぬこ:え~? まさか~。ご冗談を。






天使:冗談じゃないわ。それが【真実】なのよ。いい? まず、この世界はゲーム世界だってことを認識して。その上で改めて人生は一度きりじゃないってことを説明するね。






ぬこ:えー。話が完全に飲みこめていないんだけど…。






天使:つべこべ言わずに、いいから無理やり飲みこむのよ!! じゃないとアンタは何度も何度も人生に絶望したまま生涯を終える羽目になるのよ。それでもいいの?






ぬこ:えっ…? それは、ちょっと嫌だなぁ。






天使:そうでしょ。だったら認識を改めなさい。いい? この世界はゲームなの。アンタはとある【使命】をもってこの世界に生まれついた。だからアンタはその【使命】を果たさなければこのゲームをクリアしたことにならない。…ここまではいいわね?






ぬこ:はぁ、なるほど。で、その【使命】って何なの?






天使:それはワタシの口からは言えないわ。言ったら犯罪になっちゃうしね。使命が何なのかはプレーヤー自身が自分で見つけるの。いい?






ぬこ:はぁ、そうですか。じゃあ、その使命を果たせなかったらどうなるの?






天使:その時は、人生初めからまたやり直しになるわ。死んだ後にまた生まれた時の状態からやり直しになるの。






ぬこ:な、何だってー⁉ じゃあ、僕はまた僕の人生を初めからやり直す羽目になるってこと?






天使:そうよ。もし、使命を果たせなかったらね。だから言ったでしょ。このままだとアンタは何度も同じ絶望を味わうことになるって。






ぬこ:そ、そんな…。一体僕はどうすれば…。






天使:自分の【使命】を見つけて、それを果たすことね。それがこの世界のクリア条件。それがアンタたちプレーヤーの存在意義。…どう? ちょっとは人生について考え直せたかしら? 人生は一度きりなんかじゃない。使命を果たすまで何度も人生は繰り返されるの。わかった? ちなみに、自殺しても無駄よ。使命を果たさない限り、死んでもまた最初からやり直しになるだけだからね。






ぬこ:…マジですか。ちなみに、もし使命を果たせたとしたら、その時はどうなるの?






天使:その場合は、この世界をクリアしたということで、死んだ後次の世界に行くことになるわ。






ぬこ:次の世界?






天使:そう。だってこの世界はゲームだもの。ひとつのステージをクリアしたら次のステージが待ってるのが、ゲームってものでしょ? スーパーマリオみたいにね。それが現実世界はここだけじゃないってことの意味よ。






ぬこ:そうなんだ…。次の世界はこの宇宙とは別の世界なの?






天使:そうよ。そこでまた、アンタは新たな【使命】を果たすためにその世界を生きるの。






ぬこ:マジか…。知らなかった。世界がそんなふうに出来ていたなんて…。






天使:ふふん。少しはこの世界の認識が改まったかしら?






ぬこ:うん…。僕は今まで、死んだら「無」になれるものだとばかり思っていたよ。無になれば、生きることの苦しみからも絶望からも解放されるものとばかり思っていた…。だけど、【現実】はそんなに甘くはないんだね。天使さん、僕は君の話をまだ完全には信じられないけど、でも人生に対する考え方は少し変わった気がするよ。






天使:それはよかった。人生に絶望しててもしょうがないんだよ。それに、アンタはこの世界に生まれる前にいくつものステージをクリアしてきたんだから、もっと自信を持ちなさいな。






ぬこ:え、そうなの?






天使:そうよ。この世界が最初の現実世界じゃない。アンタの住むこの世界の人間は皆、既にいくつものステージをクリアしてきたプレーヤーたちなの。






ぬこ:へぇ~。






天使:だから、アンタも絶望してないで自分の使命をとっとと見つけなさいな。






ぬこ:うーん…。でも、やっぱりいまいち納得できないなぁ。何で神様はこんなゲーム世界を創ったんだろ? 悩める人々の魂を救ってくれるのが神様なんじゃないの?






天使:は? 何それ? それはどこの宗教? 救済するのが神様の仕事だと思ったら、大間違いよ。神様の真意は神のみぞ知る。何でこのゲーム世界を創ったのかは、ワタシたち天使もよく知らないわ。






ぬこ:そうか…。






天使:あ、ワタシそろそろ天界に戻らないと。勝手に人間の前に姿を現したことがバレるとまずいからね。じゃ、帰るね。ありがと。いい暇つぶしになったわ。じゃね~。






ぬこ:あ、ちょっと待って。まだ聞きたいことが…。






天使:何? また暇になったら来てやるから。今日はもうここまで。じゃあね、バイバイ~❤






天使はパタパタと飛んで行ってしまった。僕は我に返ったようにハッとして辺りを見回した。いつもと同じ自分の部屋の光景が広がっている。──やっぱり今のは幻覚だったんじゃないのか? それともこれは夢なのか? そう思って自分の頭を壁に打ちつけてみた。鈍い音が響くとともに、確かな痛みが頭蓋を通じて伝わってきた。…どうやらこれは【現実】らしい。痛みまでリアルに感じ取れるほどの、よく出来たバーチャル・リアリティ・ゲームだ。こんなのを創った神様はすげえや、と僕は思った。



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